人間味あふれた先生との交流がモチベーションとなり、仏語の基本中の基本を習得した頃、クジで無料のデビュー券を手に入れました。そこで気になっていたイタリア語を恐る恐る始めるとわかったのです。単語や文法は近似値。ざっくり言うと仏語発音をベタなローマ字発音に変えるだけでけっこう使えるとわかったのです。フランス語で苦労した分、単語も文法も理解はスピーディーでした。
それからと言うもの、イタリア語を話そうとする時、仏語をあたまに浮かべてみると、理解と記憶が簡単になることに味をしめました。そしてこの応用で、仏語を話すときは、英語を頭に浮かべることにすると、同様に仏語の理解も速まりました。
un(アン) 2:deux(ドゥー) 3:trois(トァ)←→UNO(ウノ)、DUE(ドゥエ)、TRE(トレ)←→one-two-three
わかってきたことは、名詞や形容詞はラテン語系(フランス語、イタリア語)とゲルマン系(英語、ドイツ語)とでは、かなり違うのですが、動詞はそこまでは違わないということでした。そこで以前お話ししたように、これらを似ているもの同士の大きな箱に入れて、習得に励んでいます。
その後、大学の第二外国語で学んだドイツ語を忘れ去る前にとレッスンを始めました。
音読はすらすら。文法も徐々に思い出されましたが、男女の名詞の他に中性名詞があり、前置詞を兼ねた冠詞との組合せがやっかいです。しかしこのレッスンでの最大の誤算は、ここでの学びは日常会話中心で、大学で学んだ基本的な書き言葉のそれとは違いました。書き言葉は結構英語に近いのですが、話し言葉はかけ離れているので、似ている英単語に関連付けられないので、記憶になかなかとどまりません。
「始める(beginen<>unfangen)」「終わる(enden<>ausgehen)」という具合で、気がつくと、一番苦手な言語になってしまいました。
最近に始めたのがスペイン語です。動機は、映画や街なかで聞いた時にイタリア語かスペイン語かを瞬時に判断したかったからです。とても良く似ていて、学ぶ前は、毎回耳を澄まし、最後にS(ス)の音がついていたらスペイン語とみなしていましたが、早口になると聞き取れませんでした。
面白いことがありました。新言語のレッスン開始時には必ずネイティブの先生によるレベルチェックがあるのですが、その時、ずっと先生はスペイン語で質問し、ずっと私はイタリア語で答え続けましたが、不思議なほど会話は成り立ちました。
レッスンを重ねると、スペイン語でしか、またはイタリア語でしか使わない特有の単語が見つかったのでやっと両者の区別ができるようになりました。レッスンのときはイタリア語を頭に浮かべてスペイン語に変換するのですが、突如、英語に近い単語が出て来ることがあります。これは、地理的な位置と関係するのだと思います。
(その4に続く)