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Cafetalk Tutor's Column

Nako 講師的專欄

かぼちゃ料理に思うこと。

每週主題: What kind of Pumpkin recipe do you like?

2022年10月20日

私の好きなかぼちゃ料理は「かぼちゃの煮たの」と「かぼちゃの焼いたの」である。ふざけてなどいない。「かぼちゃの煮たの」は3センチくらいの厚さに切ったかぼちゃを、みりん・しょうゆ・顆粒出汁と少量の水を入れて圧力鍋で煮込んだもの。「煮物」というほどたいそうなものじゃないし、たとえば里芋だったら「里芋の煮っ転がし」という料理があるがかぼちゃはその大きさのせいか煮っ転がせないのだろう、とにかく「かぼちゃの煮たの」としか言いようがない。「かぼちゃの焼いたの」に関しては、かぼちゃを0.5センチくらいにスライスしてフライパンで焼き、マヨネーズしょうゆにつけて食べる。「かぼちゃのソテー」というほどカッコよくない。やはり、「かぼちゃの焼いたの」である。料理があまり得意ではない私らしいラインナップである。それ以外に作れるかぼちゃ料理・・考えるとあまり、ない。

 かぼちゃ料理といえば思い出すのが角田光代さんの「彼女のこんだて帖」の中の一編、「かぼちゃのなかの金色の時間」である。そこに出てくるのが「かぼちゃの宝蒸し」である。丸ごとのかぼちゃをくりぬいて、中にひき肉や野菜を詰めて蒸し、とろりとした「黄金色のあん」をかけて食べる。何とも手間ひまかかった料理ではないだろうか。でも、主人公の桃子は手の離れた息子に十分においしいものを作ってあげられていなかったと悔やんでいる。その桃子が息子の誕生日くらいは、と腕によりをかけて作ったのが「かぼちゃの宝蒸し」。あまりいろいろと書いてしまうとネタバレになってしまうので、皆さんにはぜひこの「おいしい」短編集を読んでいただきたい。この本には、料理が好きな人も、料理が苦手な人も出てくる。それで、いいのだ。角田光代さんの別の本、「Presents」は料理に関する小説ではないが、「料理」という章があり、そこに「夫が作ったおじや」が登場する。そこから私の好きなところをすこし引用させていただく。「たまごはかたくなってしまっているし、塩気がまるで足りないが、あつあつのおじやは、なんだか不思議とやさしい味がした。私のほうがだんぜんおいしく作れるだろうけれど、夫のおじやは私には作れない味がした。〈中略〉料理には、何かたましいみたいなものがあるんだろうとふと思う。調理過程で、作り手は意図せずそれをぽろりと素材に落としてしまうんだろう。落としても落としても、食べられても食べられなくても、なくならないたましい。」

 だから。どんな料理でも、いいのだ。かぼちゃの焼いたのでも、かぼちゃの宝蒸しでも、あるいは買ってきたかぼちゃのお惣菜を食卓に載せるだけでも。お惣菜だってあなたが栄養やおいしさを考えて選んだものだもの。かぼちゃ料理というとハードルが高いイメージがあるかもしれない。でも、あのほくほくとした、黄金色の、甘いたべものを、自分のために、家族のために、誰かのために用意する、どんな形でも。それってしあわせなことじゃないだろうか。あなたの「たましい」を伝えられるのだから。

 

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