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Cafetalk Tutor's Column

Ayumi H 講師のコラム

生徒の能力だけのせいにしないで、と教えてくれた人

今週のテーマ: 最も尊敬する人は?

2022年3月24日 | 2 コメント

こんにちは!日本語教師のあゆみです。
 
「尊敬する人」と聞くと真っ先に思い浮かぶのは母親ですが、
ここでは、私が「教師」として最も尊敬する方についてお話させていただきます。
 
私の尊敬する人は、大学時代にアルバイトとして働いた英会話教室のオーナーです。(以下M先生)
英会話教室と言っても皆さんがご存じのAやEやGやNから始まる大手のものではありません。
M先生が1から創り上げた地元密着型の英会話教室です。
 
当時カナダ留学から帰ってきたばかりの私は、
出来るだけ英語に触れられるようにと、英会話教室の求人を漁り続ける毎日でした。
そんな中ご縁があり、アシスタントとして働かせていただけることになったのがその英会話教室でした。
 
M先生は元々大手英会話教室で勤務しておられましたが、教育方針や方法が合わないことから
自分の信念に基づいた教育をしたい!との想いでその教室を立ち上げたそうです。
 
その話を聞いた私はおそらく、口がポカンと空いたような、間抜けな顔をしていたと思います。
当時の私には、「会社に雇ってもらう」ということ以外の考えがほとんど無かったからです。
 
そんなM先生から沢山ご指導いただいた中で印象に残っているのは最初のクラス後の会話。
「"What did you eat yesterday?" と子どもに聞いて、彼らから返事が返ってこない場合、
どのように考えますか?もしくは、どのように対応しますか?」と聞かれたんです。
 
私は少し考えつつ「文法や単語が難しかったり答え方が分からない、もしくは話すスピードの問題でしょうか。」と答えました。
M先生は「それも勿論あるよね。」としながら、次のようにおっしゃいました。
「私はここで子どもたちに教えている中で、日々子どもたちの適応能力に驚かされています。
思った以上に、子どもたちが私やネイティブ講師の話している内容を理解している。」と。
「だから子どもたちから返事がない場合、単に昨日何食べたかを忘れた、という場合も実は少なくない。」と続けました。
 
つまり、生徒が理解できないことを、生徒の能力だけのせいにしてはいけないということだったんです。
自分が突然、昨日何食べたかを聞かれてパッと出る人とそうでない人が居ますよね。
それでも「語学学習」となった途端にソレを忘れて「単語が分からないのかな」などと決めつけてしまう場合が多いんだそうです。
だからこそ、生徒の表情や仕草をよく観察して何に詰まっているかを見極めることが大切だと教えてくださいました。
 
これはほんの一部でしかありませんが、私がカフェトークでいち日本語教師として活動する中で、
M先生がおっしゃっていたことが更に現実味を帯び、ようやく本当の学びになったことを実感します。
教わったことを自分の日本語教育に生かしつつ、自分独自の教育スタイルを築き上げられるよう日々研究中です。
 
あゆみ

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