先週、川島なお美さんの訃報をここイタリアから知り、とてもショックを受けました。
特にファンというわけではありませんでしたが、ひとりの女性として、人生の先輩として、ワイン好き、犬好き、そして彼女の美学や信念など共感できるところがあり、ときどきブログも読んだりしていました。
私の印象としては、川島さんはご自分の健康や美容にはとても気を遣い、幸せな結婚もされて、美味しいワインやお食事を一緒に楽しめるご主人と公私ともに充実して生きていた方。「いつも心にときめきをもつことが大切」と、何かのインタビューで言っていたのも印象的です。
私たちの人生には、自分で変えていける部分と、すでに決められている宿命のような部分があり、どのくらい長く生きてどのような最期となるか?に関しては、人智を超えた大きな力によるところが大きいと思います。なので、病気になることや早くに亡くなることに理由付けをすることはできません。そして、すべての生き物に定められている「命の終わり」そのものは自然なことでもあるので、それをどう受け止め、どのように生きるか?の方が大切です。
ただ、人に見られることを職業にしている人というのは、どこか無理をしてしまうというのはあるのではないかとも思いました。女優として、川島なお美として生を全うすることにこだわったと知り、彼女の強い意志とそこにかけたプライドがきっと、闘病生活を支えていたのだとも想像します。でも、生まれるときも死ぬときも、誰でもひとりの人間になり、そこに女優やその他の肩書はそれほど重要ではないのではないかと私は思います。
先日、知り合いの20代のイタリア人男性に、「日本人は働いていないと自分に自信がなくなって、そういう理由でどうしても仕事がしたくなるって聞いたんだけど本当?」と質問されました。たしかにイタリア人にとっては基本的に仕事は生活のためであり、だからこそ、自分の仕事を愛することができたらそれはとっても幸せなこと、という価値観があります。そこでは仕事や公の立場としての自分はあくまで二次的なもので、彼らにとって最も大切なのは自分自身のプライベートとそこにいる家族・恋人と親しい友人との時間です。
ヨガや瞑想が習慣になると、少しずつですが心や身体の感じ方により敏感になります。そして、私の経験ですが、「今日はちょっとしんどいな」とか、「風邪のひきはじめだな」というのが感覚でわかるようになりました。だからその時点で必要な対処をしてあげることで、それ以上の悪化を防ぐことができている気がします。それは心の状態においても。なので、ヨガをはじめて本当に風邪などめったにひかなくなりましたが(もちろんたまにはウィルスにかかって寝込むことあります!イタリアに来たばかりの頃、イタリアのウィルスにやられて2日間寝込みました・・・)、それは体調が良くなり免疫力が上がっただけでなく、そのような自分の状態に敏感になれたことも理由だと思います。
川島なお美さんはとても知的で、そして精神力の強い方だったことは芸能関係者の人たちのコメントからもわかります。でもだからこそ、病を告知されてからの月日は自分を奮い立たせていた時間だったのではないでしょうか。
私は個人的に彼女を知っているわけでも、また病と闘う方のことを言える立場でもないのですが、病気にかかってしまったら、それと「戦う」よりも「受け止める」こと、その受け止め方でそれからの時間が自分を癒す時間になるのかもしれないと思うのです。
そしてできれば、大きな病となる前に、病気としてではなくてもほんの小さな自分自身の変化に気づいて、休みたいと感じたら休む、調子のいいときは何か挑戦してみたいことについて具体的に考えてみる、行動を起こしてみる、など、自分の心身の状態と日々の生活をより近く結び付けて生きることが、健康で幸せに生きるヒントになるのだと考えています。
「何が自分を幸せにしてくれるのか?」を自分と向き合って見直すことにもなるので、もちろん簡単ではないかもしれませんが。だけど人生は誰にとっても期限付きの時間であり、その時間をどう過ごすかは私たちひとりひとりの選択です。
ここフィレンツェでは数日で急に気温が下がって、一昨日首のリンパあたりに風邪菌の”付着”を感じた私ですが・・・・良く寝て、果物とお水をたくさんとって、ヨガして・・・・今日は元気です!