日本の方とトルコについて話している時に、トルコは何語か、英語か、アラビア語か、トルコ語という言語が存在しているのかという風に、トルコの公用語のことを必ず聞かれます。色々な言語の中で、英語とアラビア語のイメージが一番強い理由は、トルコ人の見た目とトルコの位置ではないかと思います。しかし、トルコの公用語は、英語やアラビア語とまったく違うトルコ語という言語です。
言語それぞれの関係と距離を「語族」で分類しますが、トルコ語は、隣のアゼルバイジャン以外の周りの国と全く別の語族に入っています。トルコ語が周りの国の言語と非常に違う主な理由は、トルコ人の出身地が今のトルコではないことです。今のトルコが位置している「小アジア」或いはアナトリアに、トルコ人が11世紀に初めて入ってきました。小アジアには、この前にアルマニア人、ギリシャ人、クルド人など、様々な民族が住んでいました。初めて来たときのトルコ人は、もともと住んでいた人口の中で少数でしたが、軍事力と政治力を通じて、アナトリアをトルコ化させました。トルコは今でも様々な民族と言語が共存しています。
さてトルコ語は、ウラルアルタイ語族のアルタイ側に入っています。この中に他に、アゼルバイジャン語、トルクメン語、カザフ語、キルギス語、ウイグル語、ウズベック語などがあります。しかし他には、日本語と韓国語も入っていることは、皆さんご存知でしたか?トルコ語と日本語には、共通単語が非常に少ないですが、文法的に様々な共通点があります。例えば両方の言語は並びが一緒で、動詞は文の最後に来ます。そして接辞(語基と語基の間に現れる、特に意味を持たないもの)も言葉の後につけるものです。以下の例をご覧ください。文を分解して、分解した部分の下に日本語訳を書いています。
Türkiye 'den gel iyorum.
トルコ から 来 ています。
これだけの共通点がある言語を習うことは比較的に簡単ですよね。私が日本語を学び始めた理由の一つは、言語の近さのおかげで日本語の学びやすいところに惹かれたからです。ここまではいいニュースでしたが、日本の方からトルコ語について「発音が難しい!」とよく言われます。なぜならトルコ語には、日本語にない発音が色々あると共に、日本語はもともと子音と母音の組み合わせ、つまり音節の種類が非常に限られているからです。逆に、日本語の発音でトルコ人にできない発音が少なく、聞き取りやすいと思われますが、音節の種類が少ないため、似たような音の繰り返しが多くて単語が覚えにくいイメージもあります。しかし他の語族の言語に比べると、お互いの言語は全体的に学びやすいと思います。
日本語とトルコ語が似ていることから、トルコ人も英語を学ぶときに同じぐらいの苦労をする仲間ということも分かりますね。実は、トルコでは、外国語を話せる人の割合が10パーセントを超えません(これは、英語の難しさだけではなく、外国語の教育にも問題があるからです)。この割合に関してまともな研究がなく、中には自分を「外国語ができる」と認める人もいます。
しかし、トルコに観光に行きたい方、心配しないで下さい!観光地には英語ができる人が必ずいますし、トルコ語はアルファベットがラテン文字から出来ているので読みやすいし、ほんの少しの英語でも助けようとする人が多いので観光しやすいです。是非行ってみて下さい。
**イスタンブル海峡を渡るときに「ヨーロッパへようこそ」と私たちをヨーロッパ側に迎える看板