独楽吟は「たのしみは」で始まる52首の歌で、幕末期の国文学者で歌人の橘曙覧(たちばなのあけみ)の作です。ぜひ、ググってみてください。あなたの思い当たる楽しみがいくつかあると思います。
よく知られた歌に次のようなものがあります。
たのしみは妻子(めこ)むつまじくうちつどひ頭(かしら)ならべて物をくふ時
(たのしみは妻や子供が仲良く集まって、頭を並べて物を食べるとき)
曙覧は貧乏だったようで、魚もめったに食べられず、次のような歌があります。
たのしみはまれに魚煮て児等(こら)皆がうましうましといひて食ふ時
(たのしみはたまに魚を煮て子供たちみんながおいしいおいしいと言って食べるとき)
ほほえましいですね。
これらは私の経験できなかった楽しみですが、幸い人生にはいろいろな楽しみがあります。
たのしみは珍しき書(ふみ)人にかり初め一ひらひろげたる時
(たのしみは珍しい本を人に借りて初めの一ページを広げたとき)
たのしみは書よみ倦(うめ)るをりしもあれ声知る人の門たたく時
(たのしみは本を読み飽きたときちょうど声を知った人が戸をたたくとき)
あなたも、ぜひ、自分の楽しみをいくつも見つけてください。