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Cafetalk Tutor's Column

Keisuke.H 講師的專欄

I was a bocchi.67 蛍の光と琵琶法師

2024年11月26日

僕は熱しやすく冷めやすい性格で、記憶にも同じ特徴があった。
短期記憶には自信があるが、長期記憶はからっきしだ。
特に日本史ではその傾向が顕著で、
テスト前の休憩時間が僕の「記憶のゴールデンタイム」だった。
もはや諦めが悪いというより、ただの悪あがきだ。
 
教科書の太字部分はなんとか記憶できても、細かい問題には全く対応できない。
上位を目指すには、それではどうにもならなかった。
そこで僕が編み出したのが「超直前詰め込み法」。
テストが始まる直前まで教科書を眺め、テスト用紙が配られると、
覚えた内容をまず紙に書き出すのだ。
カンニングではないので、ルール違反にはならないだろう。
 
国語の授業では、平家物語の冒頭を暗記する課題が出た。
たった3行の文章なのに、暗記にはかなり苦労した。
しかし、課題はそれだけでは終わらなかった。
授業中に教科書を暗記し、先生の前で暗唱するという試練があったのだ。
しかも暗唱は段落ごとにクリアしていく形式だった。
 
「これは簡単かもしれない!」
そう思った僕は、音読→暗記→暗唱を繰り返し、次々に課題をクリアしていった。
気づけば、国語が得意なオオイシさんさえも追い抜いていた。
 
普段は不真面目な僕が、予習なんてするはずもない。
だけど、この時ばかりは持ち前の短期記憶をフル活用して、
初見の範囲を片っ端から暗記していった。
 
『扇の的』全文を暗記するには時間が足りなかったけれど、
古文に触れる中で、数少ない楽しい思い出ができたのは確かだ。
ただ、あの扇の的の行方は――僕にも、誰にもわからない。

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