先日、平家琵琶の演奏会を聴きに行ってきました。
平家語り研究会成果発表「平家物語の世界 その8 清盛」
於:紀尾井小ホール(東京:四ツ谷)
今回のテーマは平清盛でした。鎌倉幕府を始めた源頼朝と戦った、平氏のリーダーです。
平清盛。皆さんはどんなイメージを持っていますか?
私は日本史にうとくて、清盛にとくに印象がなかったのですが、今回の演奏会で、少なくとも平家物語の中では、清盛はかなりの悪者として描かれていることが分かりました。まあ、源氏の鎌倉幕府の下ではそうせざるを得なかったのかもしれませんが…。
ところで、琵琶の歴史は複雑で、雅楽琵琶、平家琵琶、薩摩琵琶、筑前琵琶など種類がいろいろあります。
中でも平家琵琶は、この平家物語を語るために確立された種目です。ただし、その後の薩摩・筑前琵琶などでも同じ題材で作曲されているので、YouTubeなどで検索すると、いろいろ出てきます。
その中で、平家琵琶の作品は、鎌倉時代に作られた古い作品ということになります。
さて、演奏会では、①祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)、②祇王(ぎおう)、③入道逝去(にゅうどうせいきょ)、の3曲が語られました。中世の音楽なので、琵琶の旋律は素朴で、歌の節回しもシンプルです。
シンプルゆえに、高い音域で長く伸ばすと盛り上がりになるし、少し装飾を付けて伸ばすと強調されます。とくに、③入道逝去は、清盛が高熱にうなされて地獄に落ちる様子が、淡々と低い音域で語られ、その熱量に圧倒されました。
筆力がなくて十分にお伝えできないのが残念ですが、中世の人々の表現、思いに触れたひとときでした。