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気持ちの日本語:「できそうですか」と「できますか」はどう違う?

2024-08-14



 ビジネスの会話の中で次のように納期について質問することがあります。

(1)     この資料を今週中にデータ化してほしいんですが、できそうですか?

(2)     動画編集をお願いしたいんだけど、1週間以内に納品できそうですか?

(3)     来月オープン予定の新店舗ですが、準備は間に合いそうですか?

 

 なぜこの場合、「できそうですか?」とか「間に合いそうですか?」という表現を使うのでしょうか。「できますか?」「間に合いますか?」と言っても同じ意味ではないのでしょうか。このように疑問に思う方がいらっしゃるかもしれません。

 

 「できそうですか」という質問は「動詞(ます形)+そうです」という文型を使っています。この文型は予想を表す表現です。たとえば、空に黒い雲が出てきたのを見て、あなたが「もうすぐ雨が降るだろう」と思った時、「雨が降りそうです」とあなたの予想を表現することができます。そして、これを質問の形にすると「雨が降りそうですか?」となり、相手の予想を聞く質問になります。「あなたの予想では雨が降ると思いますか」という意味です。もし「雨が降りますか」と質問すれば、「私は気象予報士ではないし、よくわかりません」と答えるかもしれません。断定することができないからです。しかし、予想することは誰でもできます。ですから、完全に正しい答えでなくてもいいので、相手の予想を知りたいときは「降りそうですか」と「~そうですか」という表現を使うのです。

 

 ビジネス場面で納期について話し合う時、相手がはっきり断定できないことも多いです。そのような場合は、「いつまでにできそうですか?」「1週間以内にできそうですか?」のように「~そうですか」を使って質問します。また、答える時にも断定はできないが、だいたいの予想を答えることもあります。その時には、「他の仕事もありますが、たぶん1週間以内にはできそうです」のように答えます。この答えはあくまで予想を答えているので、はっきり断定はしていません。もちろん断定してもらわないと困る場合もありますから、その場合には「~そうです」を使わずに、「いつまでにできますか。納期を教えてください」とはっきり質問すると良いでしょう。

 

 この表現は難しい仕事をお願いするときに、相手に負担をかけないように質問する効果があります。たとえば、古い時計を修理したいが、難しいかもしれないと思っている場合は、時計屋さんに「この時計、修理をお願いしたいんですが、できそうですか?」と聞きます。締め切りまで時間がなくて間に合うかどうかわからないという場合も、「会議の資料だけど、今週中に間に合いそうですか」と質問します。時間がなくて大変だとわかっているのに「間に合いますか」と直接的に質問すると、相手にプレッシャーを感じさせるかもしれません。そんなときに「間に合いそうですか」と言えば、少し負担を和らげることができます。

 


 このように「~そうですか」という質問は、相手の気持ちに配慮しながら質問する優しい
 日本語表現です。

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