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Cafetalk Tutor's Column

KOBA 讲师的专栏

[レッスンの余白⑳] その人が私を育ててくれた.

2024年5月16日

※「レッスンの余白」は、わたしが日本語教師をする中で感じたこと、

 思ったことをお伝えするコラムです。

 

( 写真は永観堂禅林寺ホームページから

http://www.eikando.or.jp/mobile_jp/index.html )

 

私ごとで恐縮(きょうしゅく)ですが、

私が、若い時からお世話(せわ)になった方が亡くなりました。

その方がいなければ、

今の私は存在(そんざい)しないと言ってもいいくらいの方です。

 

その方は、

私が会社に入ってすぐ、

自分は、この仕事に向いているのか、

この仕事をしていていいのか、と

思い悩(なや)んでいた頃、私の上司(じょうし)になりました。

 

私の様子(ようす)を見て、何か感じたことがあったのでしょうか?

 

毎日のように、夕方になると

お酒を飲みに誘(さそ)ってくれました。

時には朝まで飲んでいることもありました。

仕事の話をするわけではありません、

ただ、楽しく飲んでいるだけです。

 

でも、そんなな毎日を続けて何ヶ月かたったとき、

私は、自分の悩みが嘘(うそ)のようになくなって、

心が軽くなっているのを感じました。

それまでは、いつも、

社会人はこうでなければならない、という

プレッシャーがありましたが、

その重石(おもし)がとれたように思いました。

自分のままにやればいい。

それからは、目の前の仕事に、

自分なりに正面(しょうめん)から取り組んでみようという気持ちになりました。

 

その方は、その後も、

いつも私のことを気にかけてくれました。

いつも私のことを見守(みまも)ってくれました。

 

その方がいたおかげで、

私は、最後まで仕事ができたのではないかと思っています。

 

写真は、

もみじで有名な永観堂(えいかんどう)というお寺にある

「見返(みかえ)りあみだ」という仏像(ぶつぞう)です。

(うし)ろを振り返ったお姿のとてもユニークな仏像です。

 

永観(えいかん)というお坊さんが、

このお寺で修行(しゅぎょう)していた時、

夜中(よなか)に、あみださまが現れて、永観(えいかん)の前を歩き、

「永観、おそし」と言って、悟(さと)りに導(みちび)いてくれたという話から

そのお姿(すがた)を仏像(ぶつぞう)にしたものだそうです。

 

その方は、私にとって

「見返(みかえ)りあみだ」のような方でした。

いつも黙(だま)って私を導(みちび)いてくれました。

 

最近、4月に入社したばかりの新入社員が

すぐに辞(や)めてしまう、というニュースが話題になっています。

 

今の若い方は、私と違(ちが)って、

学生時代から、会社や仕事ということについて

よく勉強していますから、

その方たちなりの考え方なのでと思いますが、

仕事は人と人でするもの、

人との出会いが、その人の人生を変えることがあります。

仕事との出会いも大切ですが、

本当に人が変わるのは、人によってだと思います。

 

今の若い人にも、

早く、そんな人に出会ってもらいたいと思います。

 

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KOBA
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