NHK大河ドラマ「光る君へ」を毎週見ています。
主人公のまひろ(のちの紫式部)と藤原道長の恋物語はひとつの区切りを迎えました。まひろも貴族ではありますが、同じ貴族でも道長とは大きな隔たりがあるのですね。
分かってはいたことだけれど、まひろ、かわいそう…。
深刻な恋愛模様の中ですから、優雅に音楽を楽しむ場面は出てきませんでしたが、まひろが新しい友人に琵琶を教える場面がありました♪
琵琶をひざの上で真横にたおして構えて、撥(ばち)でしっかり音を出す、という雅楽の琵琶の基本を練習していました。
場面としては一瞬でしたから、あまり書くこともありませんね。
そこで、今回は、琵琶にはいろいろある、というお話をしたいと思います。
ドラマに出てきたのは、雅楽(ががく)の琵琶でした。略して楽琵琶(がくびわ)と呼ぶこともあります。これは、奈良時代までに中国・朝鮮半島から日本に伝わってきました。
次に、雅楽の琵琶から発展して、平家琵琶(へいけびわ)が生まれます。これは、平家物語の伴奏音楽なので、鎌倉時代に成立しました。「祇園精舎の鐘の声~(ぎおんしょうじゃのかねのこえ~)」という文句で始まります。
江戸時代になって、お経の伴奏に使う琵琶として、盲僧琵琶(もうそうびわ)が生まれます。僧侶が琵琶の伴奏でお経を読むことは、もっと昔からあるのですが、盲人の僧侶が持ちやすく演奏しやすい形に改良されたということです。
江戸時代の後半には、薩摩琵琶(さつまびわ)が生まれます。続いて、明治時代には、筑前琵琶(ちくぜんびわ)が生まれます。おそらく、今、一般的に聴く機会が多いのは、薩摩琵琶か筑前琵琶ではないかなと思います。
以上のように、琵琶にはいろいろな種類があります。盲僧琵琶と平家琵琶は弾き手がかなり少ないですが、どの琵琶も伝承が続いています。
そして、どの楽器も、そのジャンルの音楽様式に合うように、少しずつ改良されています。また、構え方も変遷があり、古いものほど真横に構え、新しいものほど縦に構えます。
音色は、新しいものほど伸びやかに響きます。
ちょっとややこしい話になってしまいましたね…。
大学で学生に音を聞かせながら紹介すると、種類がいろいろあることに驚かれます。
テレビなどで耳にするのは薩摩琵琶が多いのですが、それも奈良時代からの楽器のつながりがあるという背景を知ると、またちがって聞こえるのでは?
琵琶の聞き比べをしてみたい方は、お声かけください♪