幼稚園児に恋がわかるのだろうか?
幼い私に母は何度も誰が好きなのか聞いてきた。
『好き』というのがどういうものかよくわからない。
すると、母は「誰が可愛い?」と聞いてきた。
可愛いか可愛くないかならわかる。
「マヤちゃん」
私は問題に答えることができた。
それを聞いた母は満足そうにしていた。
私にはそのやり取りの意味が全くわからなかった。
『好き』というのはどういう感情なのか。
どう思えば好きなのか。
わからなかったし別に興味もなかった。
だから、マヤちゃんは私の初恋相手ではないと思う。
マヤちゃんは団地のみんなから好かれていた。
可愛くて性格も良かった。
幼稚園バスは同じだったけど、直接話したことはない。
ある日、遊びに誘われた。
おままごとだったと思う。
マヤちゃんから誘われたのが嬉しかった。
ウキウキしながら行くとそこにはすでに数人集まっていた。
『なんだ、二人じゃないんだ』
がっかりしたのを覚えている。
私が大嫌いないじめっ子のヤマダ君もいる。
そこまで覚えているけどその後の記憶がない。
嫌だけど参加したのか、参加しないで帰ったのか。
一体どうなったのだろう?
マヤちゃんとは小学校まで同じだったから、
話してるし遊んでるはずなんだけど、
それ以降は一緒に遊んだ記憶がない。
お別れ会にも顔を見てない。
今は元気にしているだろうか?