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Cafetalk Tutor's Column

Fukumaru 讲师的专栏

人物描写にひと役買う音楽~琵琶と声明|光る君へ

2024年3月12日

NHK大河ドラマ「光る君へ」の感想です。
第10回は、花山天皇(かざんてんのう)が藤原氏にだまされて出家するという話が中心でした。

花山院の出家というのは、古文でおなじみの場面で、私も、自分自身の受験や子どもの受験で読んだことがありました。話がややこしくてなんだか分からなかったのですが、このドラマのおかげでようやく腑に落ちました。
壮大な政略だったのですね~

この事件に藤原道長(ふじわらのみちなが)が関わっている印象がなかったのですが、首謀者である父親が、道長を守る計画にしていたということも分かりました。

この父親は、いかにも政治家という感じなのですが、4人の息子の性格や資質をとらえて、自分の都合のいいように上手に采配します。自分の身内だったら困りますが、ドラマとしてはとっても面白いです♪


さて、ドラマの本筋は置いておいて、今回も音楽に注目して視聴しました。

まずは、琵琶です。
まひろの父親は愛人のもとへ出かけたきり帰ってきません。そんな夜、まひろ(のちの紫式部)は琵琶をパララン、パラランと奏でていました。

琵琶は絹糸なのですが、とても力強く芯のある音色がします。まひろの実直な性格をよく表現しているな~と思いながら聞き入りました。


この後、道長とまひろは平安貴族らしく、和歌と漢詩で互いの思いをやりとりします。私にはちょっと難しかったですが、何はともあれ、2人はいつもの場所で待ち合わせ、気持ちと体を一つにします。

道長は、身分も地位も捨ててまひろと逃亡しようと誘いますが、まひろは断り、直秀のような庶民が理不尽に殺されない世の中をつくるように、道長に訴えます。先週、散楽師の直秀は無残にも下級役人に殺されてしまいましたが、うれしいことに、ここで大きな存在感を示していました。

本当は、まひろも一緒に行きたいと思っています。その一方で、直秀のようなことを繰り返さないために道長に政治の道を進んでほしいとも思っているのです。

まひろの言葉はまっすぐで、しっかりと道長に気持ちを伝えます。この強い気持ち、言葉が、まひろの琵琶の演奏にも通じていると感じました。


そのほか、音楽に関しては…
花山天皇がだまされていることに気づく直前、愛する亡き妻のために出家した花山天皇がお寺で剃髪(ていはつ)をする場面で、僧侶の読経がありました。

花山天皇のいちずな思いを包みこむような読経の響きが堂内を満たして、崇高な時間がいっとき流れましたが…。その直後、裏切りにあう場面との落差をきわだたせる音楽でした。


お経を読むということは「声明(しょうみょう)」と呼ばれていて、日本音楽史でも重要な分野と考えられています。お経なので、さくさくと読むものもあれば、ドラマで流れたように、歌うように唱えるものもあります。宗派によってもお経の内容や唱え方が違っていて、なかなか全貌はつかめませんが、とても奥深いです。

もっともお経ですから、お坊さんたちは音楽とは思っていないのですが、グレゴリア聖歌やミサと同じように、音楽として見ることができる、ということですね。

私も声明の専門家ではないのですが、もしご興味がおありでしたら、ぜひお声かけください。一緒にいろいろなお経の読み方や儀式についてお話しできればと思います♪

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