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Cafetalk Tutor's Column

Fukumaru 讲师的专栏

琵琶に込められた思いとは|光る君へ

2024年2月25日

NHK大河ドラマ「光る君へ」を毎週見ています。
第8回のタイトルは、「招かれざる者」でした。

まひろが通うサロンの主人である倫子(ともこ)は、まひろが思いを寄せる藤原道長(みちなが)と結ばれる様子。まひろファンとしては複雑ですが、身分ちがいのまひろよりも丸く収まるのでしょう。


そして、まひろ(のちの紫式部)の自宅には、7年前にまひろの母親を刺した藤原道兼(みちかね)が、何も知らずにまひろの父親を訪問してきました。彼が「招かれざる者」なのですね。

まひろは、母を死に至らせた道兼に強い憎しみを持っています。家の者が心配する中、まひろは自分から母親の形見の琵琶(びわ)を演奏し、道兼をもてなしました。まひろちゃん、ずいぶん大人です。

道兼は演奏をほめ、誰から習ったのかを尋ねます。母から習ったこと、母は7年前に亡くなったことを伝えますが、道兼は自分のしたことに思い至りません。まひろも、母は病気で亡くなったとうそをつき、会話はなにごともなく終わりました。


このときの琵琶の演奏は、とてもシンプルなものでしたが、道兼は、体に響く音だとほめました。まひろの秘めた熱い思いが琵琶の音にあらわれていたのでしょう。

ちょっと話がそれますが、雅楽の琵琶は、鎌倉時代には平家琵琶を生み出します。
平家琵琶は、平家物語を琵琶の伴奏で語る芸能です。鎌倉時代が成立する際の源平の合戦では、大勢の平家の武士や女性・子どもが犠牲になりました。琵琶の伴奏で語る平家物語は、平家の人々の鎮魂のためであったとも言われています。

それを思うと、今回のまひろの琵琶は、母への鎮魂の思いが込められていたように感じられます。素朴で力強い琵琶の響きが、まひろのまっすぐな思いをあらわしているようで、感動的でした。


その他は…
今回は、道兼・道長の父親が倒れた際に、平安時代らしい大がかりな祈祷(きとう)が行われたものも、なかなか興味深かったです。

その場面では、尺八が持てる技法を駆使した演奏が流れていました。つむじ風が吹き抜けるような表現で、少々おどろおどろしくもあり、祈祷の激しさがいっそう増しました。


番組終了後のミニコーナーでは、琵琶の絹糸が紹介されました♪
絹糸は、琵琶、三味線、箏など和楽器に広く使われています。
絹糸の製造技法は渡来人が伝えたという説明も流れて、平安時代の楽器と朝鮮半島との関係性も見えました。

琵琶や尺八のことをもっと知りたい方、レッスンでお話ししましょう♪

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