動画は、乃木神社(のぎじんじゃ)管絃祭(かんげんさい)での舞楽(ぶがく)《打毬楽(たぎゅうらく)》です。7分くらいから、4人の動きがそろった舞(まい)が始まります。
今回は、NHK大河ドラマ「光る君へ」の感想第2弾です。
第1弾はこちら。
平安時代の庶民の笛|光る君へ
ドラマの後半では、藤原道長たちボーイズグループが、打毬(だきゅう)という競技をしました。
4人組の2チームに分かれ、スティックを手に持って馬に乗り、馬を走らせながら小さな球を打ち、ゴールに入れるという競技。道長たちが華麗に動き回る様子を、まひろ(のちの紫式部)たちが見入っていましたよ♪
ドラマでは恋模様が丁寧に描かれて、もはや平安時代の一場面とは思えない現代風の雰囲気でしたが、競技はまさしく平安時代のもの。
というのも、雅楽(ががく)の中に《打毬楽》という4人舞の演目があり、スティックを持ち、毬を実際に打つ動作もします。
スポーツが音楽の曲目となっているなんて、他にあるでしょうか。この競技が貴族たちにどれだけ親しまれていたか分かるというものです。
ちょっと気になるのは、雅楽では「たぎゅうらく」と呼んでいること。もしかして平安時代には「だきゅう」ではなく「たぎゅう」だったのかも…。
それから、この競技のもっとおもしろいところは、競技中に雅楽が演奏されることです。ドラマでも、毬がゴールに入ると、チリンチリンという鉦鼓(しょうこ)とドンという音の楽太鼓(がくだいこ)が鳴らされていました。
ですが、それだけではないのです。『源氏物語』では、打毬の勝敗が決まると、雅楽の曲を1曲演奏することになっていました。チームによって曲が決まっていて、勝ったチームの曲を演奏するわけです。「蛍」の巻に書いてあります。
今だったら、バレーボールやテニスのゲームのセットごとに勝者の曲をブラスバンドが演奏する、みたいなことでしょうか。そんなことはありませんが、もしあったら優雅ですね~。
『源氏物語』に登場する音楽についてレッスンしています。もしご興味がありましたらリクエストをどうぞ♪