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Cafetalk Tutor's Column

Rubrica di Fukumaru

行ってきました☆源氏物語音楽絵巻

Jan 28, 2024

こんにちは。福まるです。

東京の国立劇場が建て替えのために10月に閉場しました。そのため、今まで国立劇場で行われていた伝統音楽・伝統芸能の公演は場所を変えて上演されています。

今回、その国立劇場が主催する邦楽演奏会を、「新国立劇場」に見に行きました♪
新国立劇場は通常、邦楽ではなくクラシックやバレエなどの西洋音楽・芸術が行われている劇場ですから、邦楽公演はどのようになったでしょうか?


公演は「源氏物語音楽絵―演奏と朗読でたどる光源氏の生涯」。
雅楽(ががく)、箏曲(そうきょく)、声明(しょうみょう)の公演でした。
詳しい情報は一番下に載せますね。

副題の「朗読」というのがミソで、会場が変わると内容も変わるんだな~というのが素直な感想。

楽曲は、源氏物語の進行にしたがって並べられており、劇団文学座の4人の俳優さんが光源氏や葵上などに扮して、楽曲の背景をわかりやすく演じ、物語の原文を朗読してくれました。俳優さんは現代のスーツや普段着で登場し、セリフだけで平安貴族の役を演じていましたよ♪

ナビゲーターのおかげで楽曲に関連した源氏物語のストーリーをちゃんと追うことができました。


そして、音楽のほうも大満足♪
舞楽や管弦は衣装がカラフルで目でも楽しめましたし、山田流箏曲は物語を歌で聞けるので、あらためて物語の情緒を堪能できました。

なかでもおもしろかったのが、最後の舞楽法会《陵王》。
最初は舞楽ではなく、僧侶「天台聲明 七聲會(てんだいしょうみょうしちせいかい)」の方々による読経でスタート。花びらに見立てた紙片をまく「散華(さんげ)」をして、そのうちに客席のほうまで上がってきて、読経を最後まで続けました。

客席のあちこちに立って読経するので、座る席によって聞こえ方がちがうのです。私はすぐ前から「なんみょうほうれんげ~」と唱えるのが聞こえましたよ♪

一方、舞楽は、読経の途中から始まり、舞人が登場して見事な舞を披露しました。
《陵王》は授業でもよく扱いますが、生演奏は初めて。緊張感の途切れないパフォーマンスに引き込まれました。


こうして客席は、四方から聞こえる読経と、舞台では音楽が流れて舞が舞われるという、二重三重の音響と視覚効果で不思議な空間に。

源氏物語では、「法華経千部供養(ほけきょうせんぶくよう)」という法会の後に舞楽が催されたとされているそうですから、同時進行は今回の独自の試みなのでしょう。
現代音楽で舞台を自由に使い客席も巻き込む「シアターピース」という手法がありますが、この同時進行で行うというのは、そうした試みなのかもしれません。

おかげで、平安時代の貴族が親しんでいた音空間を一挙に味わい、自分がその時代にいるかのような不思議な空気に包まれました。その前後のナビゲーターの力もあったかな…


音楽会に行くつもりでチラシもよく見ていなかったのですが、行ってみたら、今までにないおもしろい会でした。次があるか分からないけれど、あれば行って、また不思議な音空間にひたってみたいです。

<今回ご紹介した演奏会>
国立劇場第208回邦楽公演 源氏物語音楽絵巻 ―演奏と朗読でたどる光源氏の生涯―
令和6年1月27日(土)13時~、17時~(2回公演)
会場:新国立劇場 小劇場
プログラム:舞楽《青海波(せいがいは)》
      箏曲《葵の上》
      管弦《皇麞急(おうじょうのきゅう)》
      催馬楽(さいばら)《安名尊(あなとう)》
      箏曲《初若菜》
      舞楽法会(ぶがくほうえ)《陵王(りょうおう)》

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