私は以前東京にあるテレビ局でニュースを読んだり、事故や事件災害が発生したら、その現場から中継すると言う仕事についていました。
能登半島で発生したような激甚災害の現場に出向いたことも数多くありました。
私が今思い出すのは、とある大きな土砂災害の現場で見た災害救助犬の後ろ姿です。
それは、西日本の方で大きな地滑りが発生してしまい、数多くの住居が巻き込まれ行方不明者や亡くなった方が数多く出てしまった本当に辛い現場でした。
災害発生が真夏で、土砂災害によって木々なども全て押し流されてしまったので、日光を遮るものがなく、直射日光が降り注ぐ非常に厳しいところでした。
そんな中、数頭の災害救助犬がハンドラーさんや、隊員の方とともに黙々と歩いて、まだまだ多くの方が助けを求めている現場へと向かっているところに遭遇しました。
そこに、
全く何もなくなってしまった泥だらけの道の上に野球ボールが1つ落ちていたんです。
あれは確か黒っぽい大型犬だったと思いますが、そのボールを見て、思わずなのか、、、そっとそのボールを口にくわえたんです。
おそらくまだ現場に向かう途中だったので、いわゆる「きっちり仕事をする」モードと言うわけではなかったのだと思います。
盲導犬や介助犬なども、人間のお仕事をサポートする時もあれば、1匹のワンちゃんとして過ごす時間もありますので、その時はまだ1匹のワンチャンとしての時間だったのかな?
と想像します。
そうするとハンドラーさんが静かに、しかしぴしっと、それはダメ、と言うようなことを伝えたんです。
その子は、そっとそのボールをすぐにその場に置いて、頭をまっすぐ上に上げて、多くの方々が助けを待っている山の上へと向かっていきました。
私はその後ろ姿に、頑張って、ありがとう、と心の中で声をかけました。
一瞬ボールを目にしたときに思わずくわえてしまったものの、すぐに災害救助犬としての自分の立場を思い出したかのような、そんな瞬間を目にしたような気がしました。
その後しばらく経って静かな現場に救助犬の吠える声が響き渡り、多くの救急隊員さんや自衛隊の隊員さんたちが1カ所に集まると言うことがありました。おそらくどなたかを見つけた瞬間だったのでしょう。
災害救助犬は、数多くの過酷な現場で、少しの隙間等から漂ってくる臭いを頼りに閉じ込められている人を見つけると言う大きな使命を抱えています。
多くの方々がまだ中にいて助けを待ち続けていると言う現場だと当たり前ですが、重機を使って瓦礫などを取り除くことはできず、
お一人お一人の作業で、少しずつ瓦礫を取り除いて、人間と犬が協力をして捜索をするしかないのです。
そういった一人ひとりの背中、1頭1頭の横顔を思い出す
と、今でも胸が締め付けられますし、
能登半島で末だ行方不明の方はどうかどうか無事でいてと
ねがうことしかできない自分がはがゆくなってしまいます。
数多くの寄付のルートや支援のルートがありますので、皆様、お一人お一人が様々な形で支援をされていると思います。
私は今回、介助犬の出動にあたっている日本レスキュー協会
さんや、ふるさと納税などの仕組みを使い微力ながら寄付をさせていただいておりますが、もっと何かできる事はないかと考えてしまいますが。
私は何か影響力があるインフルエンサーさんなどでもないので、どれだけの方がこれを見てくださるか分かりませんが、、、1人でも多くの方とお気持ちを一緒にしたいと思い、こちらを記させて頂きました。
改めて、.被災された方や、その関係する方、救助にあたる方々へ支援が届きますように。