※「京都徒然(つれづれ)」は、わたしが京都にいるときに見たこと、感じたことをお伝えするコラムです。
( 徒然(つれづれ)…何もすることがなくぼんやりしていること)
京都はこれから紅葉(もみじ)の季節です。
先日、紅葉(もみじ)の名所として知られる真如堂を歩きました。
まだ、全体は青紅葉ですが、ところどころ見事な紅葉(もみじ)でした。
「錦秋(きんしゅう)」という言葉があります。
紅葉(もみじ)を、錦(にしき)という織物(おりもの)にたとえた言葉です。
手紙を書くときの最初のあいさつに、
「拝啓 錦秋(きんしゅう)の候(こう) いかがお過ごしでしょうか」
などと使います。
確かに、紅葉(もみじ)の
すきとおった緑から黄色、そして赤まで
さまざまな色が入り乱れる様子は、
あでやかな※錦(にしき)を思わせます。
※はなやかで美しいさま。
春の桜は、
いつ咲くか、いつ散るかと、
楽しいながらも落ち着かない気持ちにさせますが、
秋の紅葉(もみじ)は
静かに始まり静かに終わるので
秋らしい、ちょっと沈んだ、
でも落ち着いた気持ちになります。
京都の11月は火焚(ひた)き祭りの季節でもあります。
火焚(ひた)き祭りは、神社で
願い事を書いた木の板を火の中に投げ入れ
火の勢いで願い事を天に届ける豪快(ごうかい)な火祭りです。
泉山融通辨財天大祭
動画もご覧ください。
あでやかな紅葉(もみじ)と燃え盛(さか)る火の勢い、
京都の秋は華(はな)やかな色の中に、
年の終わり、そして厳しい冬を迎えるために
気持ちを整理をさせてくれる季節です。
京都は、いつ来ても何かがあります。
逆に言えば、京都の人々は、
昔から、さまざまな行事でその季節を楽しむとともに、
次の季節に向けて
気持ちを切り替えながら生きてきたのだと思います。
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KOBA
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