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Cafetalk Tutor's Column

Keisuke.H 講師のコラム

おもしろ化学エピソード④

2023年7月4日

この構造式の物質が溶けた水溶液の名前は?

ヒント1:上のイラスト。ブクブク。
ヒント2:中学理科でよく出てくる溶液。
ヒント3:息を吹きかけると変色する。
 
正解はBTB溶液だ。
ブロモチモールブルー水溶液だね。
石灰水と答えた人はイラストに騙されたね。
石灰水は水酸化カルシウムの飽和水溶液だ。
 
BTB溶液は高校ではpH指示薬としてはあまり使われない。
だから『中学理科で』という表現をしたんだ。
結構複雑な構造をしているから、
この構造式を書ける人はほぼいないと思う。
実は私も調べるまでこんなに複雑だとは知らなかった。
 
BTB溶液は、
酸性で黄色、中性で緑色、アルカリ性で青色を示す。
中学理科の生物分野の光合成の実験で用いられる。
 
BTB溶液はアルカリ性の青色の状態で保存されているので、
息を吹き込んで中性の緑色にしてから実験をする。
さらに息を吹き込み続けると黄色になる。
これは、人間の吐く息に含まれる二酸化炭素が、
BTB溶液に溶けてpHが変化するためだ。
 
中学校の頃、理科室でこの実験をした。
理科の先生の説明を受けてみんなストローで息を吹き込んだ。
青色→緑色→黄色と変色する様子を見て驚く。
何故か私は緑色のままで黄色にならない。
頑張って息を吹き込んでも変わらない。
みんな簡単に黄色になっているのに。
 
見兼ねた先生は二酸化炭素のスプレーを私のBTB溶液に吹き込んだ。
黄色になるBTB溶液。
驚く私。
驚く友達。
ドヤ顔の先生。
 
「ケイスケは人間じゃないのか!?」
なんてイジられた化学の苦い思い出。

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