熊本が大変なことになっていますね。避難生活を余儀なくされている方もいらっしゃると聞きます。地震は日本に住む私たちにとって、身近で他人事ではない自然災害。人智ではどうにもならないレベルのことではありますが、いつか自分も遭遇するかもしれないこととして防災意識を高めたりするのと同時に、今という瞬間を大切に生きること、最終的にはそれが私たちひとりひとりにできることなのでは?そんな話を先日、スカイプでヨガのレッスンの最中に揺れを感じたという生徒さんとしていました(関東のこちらでは揺れは感じられませんでした)。
さて今回は「豊かさ」について、いつもよりはちょっとだけ短めのコラムを。
お正月の新春キャンペーンでも、この豊かさをテーマにして何人かの生徒さんとお話しをしました。とっても素直に「豊かさってなんですか?!」と、質問してきた方もいらっしゃいました。実は私も、イタリアから帰国してからずっと考えている自分自身にとってのテーマでもあります。
というのは、イタリアはご存じ現在の経済状況がヨーロッパの中で最も落ち込んでいる国のひとつです。私が帰国した理由も、あちらで仕事をして経済活動を行っていくのに限界を感じたからでもあります。一説では、イタリアではほとんどの国民が一人当たり1000ユーロ(日本円で約130,000円くらい)以下で生活しているとも言われています。そして、私自身や向こうで出会った日本人の友人たちも、ほとんどそれくらいかそれ以下の生活費で暮らしていました。
日本に帰って来て仕事をし、以前の会社員時代の給与水準には及ばないものの、上記のイタリアの金額に比べたらかなり多い収入がある今の状態は、イタリアでの貧乏留学時代に比べたら経済的にはずっと良くて、そういう意味では日本に帰って来て良かったと思っています。少なくとも、イタリアよりも国全体の経済は動いているのを肌で感じるのは本当です。
ただ。何でしょう、蔓延しているこの「もっと貯めなきゃ。稼がなくちゃ」という感覚は。イタリアの生活費でいうならおつりがくるほどの収入を得ていても、日本で生きていく上での収入という意味ではとても足りない、心もとない、という感覚を容易にいだくようになるのが、日本での生活だと思い出してきました。
ちなみに、経済が停滞して久しいイタリアですが、国民は結構明るく生きているのは、皆さん行けば感じると思います。食費や交通費、通信費が安いので、お金がなくても充分基本的な生活が可能であるのと、あとは『幸せ』とか『豊かさ』の価値観の違いもあるように思うのですがいかがでしょうか。イタリアに限らず、比較したときに日本人ほど貯金をする国民はいないと聞きますし、貯金などほとんどしてなくてその日暮らしという状況でもなぜか明るい。そこには福祉や社会のシステムの違い等いろいろ背景はあるのでしょうが、まぁ、総じて言うなら、日本人ほど先のこと、つまり老後のことを心配して生きていないのだと思います。
さて、「豊かさ」とは何でしょう。
お金に直結する部分ももちろんあるとは思います。少なくとも、ないよりはあったほうがいいに決まってますしね。でも、それだけじゃない。いや、むしろ、それとは無関係のことがらのほうが実は多いのではないでしょうか。
そこで私がかなり個人的にいくつかあげさせていただくならば・・・・。
- 自由であること。何にも制約を受けずに自分の大切なことに時間とエネルギー、お金を注げる状態であること。
- 行きたいところへ行きたいときに行くことができ、やりたいことや学びたいことを実行に移すための精神と肉体、経済的自由が可能であること。
- 家族や友人、大切な人たちとともに分かち合う喜びを日々実践していること。遠くにいる会ったこともない人たちにも、同じ地球に暮らすひとりとして、思いを馳せたり想像したりする心の広がりが可能であること。
- 美しいもの、心地よいもの、心が感動する良いものを探求し、楽しんでいること。それらに対して心が素直に開いていること。
いかがでしょうか?!お金が関係するところも少しはありますね。でも、すべてではないです。特に1の「自由であること」というのは、決してお金のあるなしでも、またしがらみや物理的な条件ではないと私は思うんです。要は、心の自由を自分に許しているかどうか。自由に考え、決断することを日々実践しているかどうか。今していることを「しかたなく」とか、「やらなくてはいけないから」ではなく、「自分の選択でそうしている」と思えているかどうか。「足りない」、「もっともっと」、ではなく、「充分」と感じられるように工夫をしたり、分け合ったりすることで喜びを感じること。その心や精神のあり方が、さらなる豊かさを引き寄せる。私はそう信じるようになって、そして現在その意味ではいい感じです・・・・✰
先日、ヨガのクラスに来てくださった生徒さんとフレンチカフェに行って、大好きなガレットとクレープ、そしてシードルというフランスのお酒を楽しみました。とっても美味しくて、ほっぺたがおっこちそうで、幸せなひとときでした❤もう、それだけで心はフランスにトリップしちゃっていました。