*いざ!カナダへ⑬
カナダ生活の始まりは
理想と現実と言うよりは、“想像と現実”の違いを突きつけられた。
カナダ・ノバスコシア州の小さな日系水産会社。
日本人の社長に、カナダ人の営業マネージャーで同い年のカレンちゃん
経理担当のひとつ年上のかおりちゃん
その他に、難民としてキューバからやってきた作業員が数人という
本当に、小さな小さな会社。
わたしはそこで、まず経理や営業の手伝いをしながら
会社の様子を知っていった。
しかし、それまで日本で働いてきた会社は千人規模の一部上場企業。
“そこ”しか知らないわたしにとっては
すべてが陳腐に見えた。
わたしは、思いあがっていた!
カナダとはいえ、日本語だけが飛び交う小さな会社の中で
わたしが大手水産企業で経験してきた事を、ここで発揮したかったのだ。
しかし、何を言っても
何をしても
「ここは、Toriaさんの居た大きな会社とは違うんだよ」と
社長から言われるばかり。
そのうえ
「ここで出来る事をやってほしい。
ここで出来る事で、何か新しい事をやってほしい」
毎日、それを社長から言われる。
わたしの胸中では
「こんな小さな会社で、わたしに何が出来るんだ!」と
傲慢な自分が顔を出す。
そんな悪循環の繰り返し。
何より気になったのは、この小さな会社の財務事情。
社員は少ないが、小さな工場設備を持っている。
扱っている商材は、主に北米産のウニとツブ貝。
しかし、フル稼働している訳ではない。
入社してすぐの給料条件は、月1600ドルほど。
それが、2か月後には1400ドに引き下げられた。
相変わらずのオフィス暮らし。
仕事とプライベートの境もなく
現実の仕事やお金の心配がチラつく環境。
自由で働きやすく
ストレスフリーで…
そして
何となくオシャレで。
日本に居るより、ハッピーなはずだった。
だが、カナダ生活の「想像と現実」は
初っ端から、かけ離れていた。
…が、これは
単なる序章に過ぎない…
milet 「inside you」(2019)
もう30歳になったのに…
何もまだ、知らない事ばかりだった「カナダ生活の始まり」。
親元を離れ
日本の恵まれた社会人生活から離れた時に
気づいた事・見えた物。
ここから、いろいろな出来事や人との出会い、状況変化のなかで
七転八倒・七転び八起きでは追いつかぬほど
転んでは起きての、繰り返しをしていきます。
その姿、(゜-゜)(゜-゜)(゜-゜)
今思うと、若かった!
そして、滑稽というか、笑えるかな。
でも、その時は苦しかった…続きを読む
TORIA (o ̄∇ ̄)/