日米育ち、日英比較連作コラム執筆中の スティーブン 孝之 シャレットです。
前回の“凄い”コラムでは、英語の凄い語彙の多さと日本語のアレンジ文化について述べましたが、今回は“怖い”をテーマに何かを考えてみましょう。
では、今回も日本育ち役の孝之と米国育ち役のスティーブンの会話例を聞くことから始めましょう。
T "Hey, Stephen. Tell me the scariest experience that you’ve ever had in your life."
S "When I was a child, I was lying in bed and saw a head of a woman floating in the air."
T "That's just plain frightening. Did it look like a Japanese style ghost?"
S "Yes, that’s it. It had long black hair and was flying around me in all directions laughing at me."
みなさま、またしても薄々お気づきかと思いますが、英語は、主語をはっきりと明示します。
反対に、日本語は主語を明示しすぎると、不自然に感じますよね。例えば上の会話例を日本語に直訳してみるとこんな感じです。
T「うい、スティーブン。(あんたの)人生史上一番怖い体験を(私に)教えて欲しい。」
S「(私が)子どもの頃、(私が)ベッドで横になっていたら、(私が)女性の生首が宙に浮いていのを見たことですかね。」
T「(それは)普通に怖いな。(それは)和風のお化け、て感じ?」
S「そうですね。(そのお化けは)長い黒髪で、笑いながら、私の周りをぐるぐると飛び回っていました。」
(XXX)は、省略した方が良い、しても問題ないと思われる部分です。
実際、こんな風に話していたら怖いですよね。
日本語の感覚のまま、言いたいことを英語に置き換えようとすると、主語の発想が希薄な為、出だしが分からず、Uhhh..(永遠のフリーズ状態)になってしまった経験はありませんか?
お心当たりのある方は、
日本語と英語は異なる言語であるという事実をまずは受け入れてみてください。
言語はその言語を使う人々の思想や自然観、宗教観、価値観、文化、歴史、あらゆる要素に紐づいています。
英語を学ぶことで、母語が日本語の方は日本(語)の特性に気づいていくことができます。
それもまた、大事な学習なのではないかと私は思っています。
スティーブン 孝之 シャレット