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Cafetalk Tutor's Column

Ichiro 讲师的专栏

背丈は低いが、肝っ玉の太い男。

2022年10月15日

今昔物語に、抜け目のないしたたかな小役人の話が出てくる。
公務で帰りが遅くなった男は、牛車で大宮大路を進んでいた。
車の中で男は、突然衣服を全て脱ぎ、たたんで敷物の下にきちんとしまった。
そして、冠を付け足袋をはいただけの姿で、敷物の上にちょこんと座った。
そこに盗賊があらわれ、使用人たちはみな逃げてしまった。
盗賊が牛車のすだれを引き上げると、男が裸で座っていた。
盗賊があきれて、「いったいどうしたことだ。」と聞くと、
「大宮大路で、あなた方のような公達がきて、私の服をみな召し上げてしまいました。」と、笏を手に答えた。
盗賊たちは、大笑いしながら、何も取らずに行ってしまった。
語り手は、この男の肝っ玉の太さを、最大級にほめている。

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