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Cafetalk Tutor's Column

Rubrica di Ichiro

花盗人

Oct 2, 2022

沙石集にある話であるが、花を盗むとは、風流な盗人である。
隆尊というお坊さんが、関東を修行しているとき、ある地頭の庭の桜の花を一枝追って逃げた。
その地頭が、それを見つけて、家来たちに坊さんを捕えさせた。
隆尊は、せんかたなく、「殿にこう申し上げてください。」といって、歌を詠んだ。

白波の名をば立つとも吉野川
       花ゆゑ沈む身をばうらまじ
(吉野川に立つ白波ではないが、盗人のうわさが立ってもかまわない。花ゆえに盗人扱いされて沈むわが身を恨むまい。)

使者からこの歌を聞いた地頭は感心して、隆尊を連れてこさせていろいろともてなし、歌を学んだということである。

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