韓国語が少し理解できるようになると、ふとあることに気付きます。悪口や否定的な意味の単語には大抵、「개[ゲ]」の一文字が入っているという事実に……。개と言えば、誰もが犬を連想するはずです。私自身もそれが犬であることを信じて疑ったことがありません。でも、なぜネガティブワードにはやたらと犬が含まれるのでしょうか。3万数千年もの昔から、人間の家族として愛されてきたはずのワンコ。それなのに、日本でも「犬食い」やら「犬死に」やら、不名誉な表現が目に付きます。この現象は日韓のみならず、諸外国でも見られるんだそうで……。一体全体、ワンコに何の罪があるというのでしょう?
というわけで、今回は韓国語の中の개について掘り下げてみることにします。まずは、개-という接頭辞(名詞の頭に付く品詞)を国語辞典で引いてみると、
野生状態の/質の落ちる/酷似しているが異なる/空っぽの/無駄な/程度のひどい……
う~ん、何だかやっぱりネガティブのオンパレードですね^^;ところが、これらを根拠に「개-はネガティブな意味を表す接頭辞なだけであって、犬には関係ない」と主張する向きもあるのです。この主張によると、ワンコは晴れて無罪ということになりますね^^めでたしめでたし!!と行きたいところですが、この接頭辞の개-の語源が犬ではないという確たる証拠は見付かっていないため、この説は今のところグレーな感じです。
今度は、犬を意味する개という名詞自体を調べてみましょう。するとどうでしょう。動物以外に次のような意味を見付けましたよ。
行いがひどい人/誰かの手先(日本語の「〇〇の犬」にあたる)
何だ~、犬自体によくない意味があるんじゃないですか!……となるとワンコはやっぱり有罪なんでしょうか?!深堀した結果もやもやだけが残ってしまいましたが、目下のところワンコが有罪とも無罪とも判決を下すだけの証拠が揃いませんでした。ワンコよ、ごめんね^^;