だいぶ前のお話ですが、映画館で『新しい靴を買わなくちゃ』という映画を観ました。舞台はパリ。新しくスタートを切ろうとしている女性のお話です。
観るぞ!と思っていた訳ではなく、カフェオレでも飲みながら観ようかなと思って、1人でふらっと入ったのを覚えています。
劇場に入るともう真っ暗。上映中…。パリの映像に、静かなピアノの音でモーツァルトのメヌエットk1が流れていました。
シンプルで、小さなお子さんも弾ける曲です。
決して派手な曲ではないのですが、この曲が映画では実にいい所で流れました。
中山美穂さんが演じる主人公アオイはふとした時に、又は誰かを思い出した時に、部屋の隅にある木製のアップライトピアノに向かい、 そのメヌエットを弾きます。時にはピアノの上にワインを置いて。たどたどしく、自分のために、何かを思いながら。
「ああそうか…」と思いました。
ピアノは自分を慰める為に弾いてもいいんだな。
嬉しい時、少し落ち込んでいる時、そばに音楽があって自分のために弾けたら素敵だなと思いました。
それぞれの生徒さんにもピアノに対する思いがあります。そのお話を聞かせて頂く時は「わー、いいな!」と思える瞬間です。私を初心に戻してくれます。
真剣に、そしてなんだか楽しそうに鍵盤に向かっていらっしゃる横顔はとても素敵です。
私もそんなふうにピアノに向かいたいです。
日々の生活、お仕事がある中ピアノを弾きに来てくださる生徒さん達にとって、少しでも楽しく充実した時間になるようレッスンを進めて参ります。
少しずつ自分のピアノを弾けるように一緒に頑張りましょう♪