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ロンドン生活こぼれ話 その⑰ レディファーストの文化

2013-03-06 | 2 Comments

 先日、日本に住んでいる外国人が出演する日本のテレビ番組を見ていた時の事です。「電車等で席を譲るのに躊躇した事はありますか?」という質問に、イギリス人の男性が「イギリスはレディファーストの国だから、女性なら年齢を問わず男性は譲る」と言っていたのを聞いて「あぁ、なるほど」と思いました。

 実は私もバスに乗っていた時にイギリス人の男の子に「ここ座る?」と席を譲られた事があります。「私、そんなに疲れてるように見えたかな?」とその時は思ったのですが、レディファーストの文化からきていたのですね。

 そう思って色々な事を考えてみると、思い当たる事がいくつかあります。狭い通路等で反対側から人が来た時等、男性はほとんどの場合「お先にどうぞ」と言って先に通らせてくれます。他にも私がコートを着ようとすると、男性が私が着やすいようにコートを持ってくれたりします。ただ、それをやってくれた人達はイギリス出身の人達で無かった事もあるので、イギリス人に限った事では無いかもしれません。

 他にも少し高級なレストランで働いていた時には「料理やドリンクを提供する時はまず女性から」「ワインを提供する時は、男性にテイスティングをしてもらい、その後必ず女性からサーブする」と教育を受けました。

 あと、これはレディーファーストの話ではないのですが、イギリスではバスや地下鉄でお年寄りが乗って来ると、皆自然と席を譲ります。日本で電車に乗っていた時にはあまり席を譲る人を見掛けなかったのですが、やはり「あまり年をとっていなさそうな人に譲るのは失礼かな」、等色々考えてしまうから譲りにくいのかもしれないですね。

 ただレディファーストの事を踏まえて考えてみると、私がイギリスでお年寄りに席を譲ろうとしても「大丈夫、立ってられるから。」「すぐ降りるから大丈夫」と断られる事がたまにあります。でもよく考えてみると、断られたのはほとんど男性のお年寄りの方だった気がします。女性の場合は大体席を譲ると「ありがとう」と言って座る気がします。やはり、若い頃からレディーファーストの文化で優先的に席を譲ってもらったりしている為、譲ってもらう事が当たり前になっているからなのでしょうか。

 いつもこのコラムではイギリスで生活していて大変だな、と思う事を書く事の多い私ですが、こうやってお年寄りや女性に気を使う文化は良いな、と思います。他にも男女問わずイギリスでは皆、自分がドアを開けた時に後ろから他の人が来てる場合は、その人の為にドアを開けて待ってあげたりします。こういったちょっとした気遣いって良いですよね。

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