昨日午後に、友人からもらったフロランタンを食べて幸せな気持ちになりました。
おいしいこと自体もそうですし、おいしいと感じることについても「幸せだな」と感じます。
ひどい抑うつ状態が続いていたかつての私が少しずつ回復してきた時、ハッと気が付いてとても感動したことがありました。それは
「空が、青い」
ということ。
その時まで、何年もの間そんなことを考えることがありませんでした。
空の青さに感動してからは、窓の外の小鳥の鳴き声にも気が付き、道端の花や月を見てキレイだと感じるようになりました。
そんな「当たり前のこと」がわからないほど、それまでの私の心は切羽詰まった状態が続いていたんだと思います。
「おいしい!」と幸せを感じるようになったのは、それよりもっと後でした。
もちろん味覚の問題ではありませんから、それなりにおいしいと感じていますし好き嫌いもありました。
でも「食べることから幸せを感じる」ということを実感し理解できたのは、比較的最近だったのかもしれません。
悩み苦しみ、段々と心に余裕がなくなり、抑うつ状態になってくると、感情が淡泊になるというか、何も感じなくなっていきました。
自分では気が付きませんでしたが、全然笑わなくなりました。
キレイ。おいしい。楽しい。うれしい。おもしろい。そういう感情がわきませんでした。
興味も感情もわかないから、どうすれば元気が出るのか、リラックスできるのかわかりませんし、そうしたいとも思いません。
心の中はやり場のない怒りで満ちていました。
段々と悲しみも感じなくなり、泣かなくなりました。
投げやりになり、自暴自棄になり、もう何もかもどうでもいいと思うようになります。
何が正しくて何が間違っているか?自分の将来?自分の命?
それどころじゃない。そんなのもうどうでもいい。今、楽になりたい。
そう考えることが増えていき、間違った選択もたくさんしてしまいました。
心にも、頭にも、真っ黒な何かが侵入してきて、心の中の自分が自分を攻撃する。
毎日毎日、ひたすら苦しいだけの同じ一日。
逃げたいけど逃げられない。いつか抜け出せるのかな、それとももうこのまま?
それならもう、耐えたくもない。
そう思って死のうと思ったことも数えきれないほどありました。
病院へ行ってみてもお医者さんがなんだか胡散臭い。
カウンセリングを受けてみても、シーンと気まずい時間が流れるだけ。
薬を飲んでみても何も変化がない。
誰も信用できない、だれも助けてくれない、もうどうにもならない、そう思いました。
自分の事も、将来のことも、あきらめていました。
もうだいぶん前になるので、そうした辛い時期を思い出すことは少なくなりましたが、今こうしていられることは私にとっては奇跡です。
「そんな私がいたからこそ、今の私がいる」そう思います。
今でも空を眺めて元気をもらいます。
「今日も 空が青い」