曲想をつけるということは、曲に色や表情をつけることです。
楽譜には音やリズムが書かれているだけでなく、速度(ラルゴ、モデラート、アレグロなど)、
強弱記号(フォルテやピアノ、クレッシェンドやデクレッシェンドなど)、
アーティキュレーション(スラー、スタッカート、テヌートなど)、
発想標語(ドルチェ、カンタービレなど)の色々な情報が載っています。
ついつい音を取ることに夢中になり、これらを見ることなく弾き始めてしまいがちですが、
一番初めに曲全体を見て何が書かれているか知ることはとても大切なことです。
初めて練習する曲は、まず楽譜全体を見て、どんなことが書かれているかじっくり
見ることから始めましょう。
さて、これらを考慮して弾いてはいるものの、どうも曲が生き生きしてこない。
何か物足りなさを感じる場合、楽譜に書かれている表記だけではなく、
曲のイメージを考えてみましょう。よく小学校の音楽の時間でも、
「曲を感じて歌いましょう!」などと言われたことがあるかもしれません。
「曲を感じる」とは、どんなことでしょうか。
曲を聞いて、どんなことでも感じることを素直にあげてみましょう。
このパートは楽しい感じ、こちらは悲しい感じ、怒りが沸き上がる感じ。
優しい感じ、怖い感じ。踊りたい感じ。眠ってしまいたい感じ。
次は、曲を聞いて情景を思い浮かべてみましょう。
春のそよ風が吹いているよう。蝶がひらひら飛んでいる。
夏の夕立のように、暗闇が徐々にやってきて、空一面が真っ暗になって激しく雨が降る。
これらのイメージを持ちながら、曲を聞き、そして弾いてみることをおススメします!
また、弾くだけではなくメロディーを歌ってみるのも効果的です。
歌をうたっている時は体も自然とついてきます。
例えば、コソコソ話をする時ってちょっと小さくなりませんか?
胸を張ってコソコソ話はしませんよね。
楽しい時には笑顔に、悲しい時はしょんぼりとなりますよね。
そのままピアノを弾く時にも生かしてみましょう!
技術的なことや、指や腕、体の使い方はレッスンで一緒に練習できますが、
感情面は普段から用意していないと表現するのがなかなか難しいです。
そのためには普段の生活でも季節の変化に気付いたり、景色を見て感じたりすることは
とても大切です。そして感じたことを言葉で表現してみてください。
また、沢山の演奏を聞きましょう。同じ曲でも演奏者によって大分違います。
聴き比べ、どんなことでも感じてみてください。
自分の好みも分かってきますし、演奏のヒントにもなります。
May