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Cafetalk Tutor's Column

中村勇太 讲师的专栏

本筋を変えない柔軟なカリキュラム

2024年8月19日

最近、周りの同業者に聞いても似たケースが少なくないようなのですが、こんなことがあります。
親御さんが、子どもさんをコントロールできなくなっているケース。
最近は親御さんの叱咤を恐れない、かなり強気なお子さんもいます。

コントロールとか管理っていうと、噛みつかれそうな世の中ですが、躾とはまた違う気がします。
親子関係っていうのが、時代とか世代でこんなにも違うものなんだなぁ、とよく感じます。

能力とか、技術、思索や思考の土壌は、お金を払うだけでは身につきません。
情報として手に入れることはできますが、自分の頭には入りませんし、技術としても手に入れられません。

当の子ども本人たちの気持ちはこれです。
「やらないといけないのはわかる、でも気が向かないの!」

老若男女だれでも気が向く、向かない、はありますが、ある程度我慢しないと将来お勉強やお仕事もできません。我慢とすら感じないくらいの神経にならないと生きていけません。

こういうことは、我々世代は親から徹底的に叩き込まれたのですが(笑)、学校も昔とは全然ちがいます。
指導者はお稽古の中で辛抱強くタイミングを見計らい、くいくいとスタンス手繰り寄せていくしかありません。

この時点で自分のコントロールができず、感情が暴走してしまう、お稽古の時間に耐えられないお子さんについては残念ですが、他のなにがしかで学んでもらうしかありません。

今のところ結果半々くらいですが、お稽古のふれあいの中でだんだんと辛抱、忍耐を覚え、成果を得るための時間投資を受け入れられるようになったお子さんもいます。

その先がなかなかの難題。
時間を有効活用したい、無駄な拘束時間はイヤ!というのが彼ら彼女らの本音です。
なるほど、切り取り動画を倍速で見るような世代と近しいものがあります。

もちろんバイオリンのお稽古にそんなものは通用しないのですが(笑)、こちらも歩み寄りを見せないと仲良くしてもらえません。

歩み寄っているように見せかせて、手繰り寄せるのが我々指導者に必要なテクニックでしょう。

どんなに意地を張って強気な子も、単純さはどの世代も変わらないので、まぁなんとかなるのです。

問題は課題の選曲です。

今回、教本の小さな曲を毎週コツコツ進めていくのは困難だと判断しました。

数曲基本をやったあと、もうポジション移動。
3rdポジションも一曲だけ。

そのあとは、調とオクターブとフォームの勉強。

ここで、チラチラと様子を伺ってみます。
調とポジションがわかってくると、部分的ではあれど、テレビでも流れるような名曲をかじることができます。そして、いつもより深く食いついたところで、リールをじわ〜っと静かに静かに巻いていきます。
結果、今その子は半年かけて、ある名曲を半分くらい音に出せるようになりました。
さらっと流して曲を進めるよりは、一つの曲を味がしなくなるまで噛むほうが、底力としての実力がつきます。全く悪いことではありません。
いろんな曲ごとのスタイルの経験値は抜けますが、底力さえつけば、自力でもできますからね。
曲のうち残った半分に、ハーモニクスや重音があるので、慎重に慎重に、課題の量を見定めなければいけません。
大人が世の中こういうものよ、と淡々とつたえて伝わるなら教育はラクです。

環境によって導く。
そして、周りにいる指導者も環境の一部に過ぎない。
これが長年幼児教育の現場にお邪魔して学んできた中で一番大切な教えです。

発表会を見ていても思ったのですが、お稽古はある面で、思うようにならない自分と向き合う時間です。
バイオリンのお稽古であれば、バイオリンや音楽を通し、子どもさんが自分と向き合って、よりよい人間になっていければ、自ずと成果もでてきます。

世代間にある感覚の差、意識の差を冷静に受け止められる年齢になったことを自覚しつつ(苦笑)、向き合っていきます。

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