僕が小学校の頃、給食に牛乳瓶が出てた。
牛乳パックになったのは中学校になってからだ。
牛乳瓶の耐久性は低くて、
机から落としたり運搬時に落としたりするだけで割れた。
運搬時には一気に運ぶから全滅すると給食から牛乳がなくなった。
扱いが難しい牛乳は貴重な飲み物だった。
しかし、飲んでいるときに笑わせる人がいると、
思わず吹き出してしまう。
誰が最初に仕掛けたのかはわからないが、
笑わせる人と笑わせられる人や、
笑わせる人同士の戦いが始まった。
僕は最初負けが続いていた。
「ブフッ!」
と吹いてしまい残りの牛乳が減る。
吹いたら笑わせた方にも被害は及んだ。
そして、被害者と加害者で掃除をする。
そこまでがワンセット。
暗黙の了解で給食時に2回繰り返してはいけなかった。
僕はダジャレが好きだったから何とか応戦を試みた。
成功した!
マコトは僕に向かって盛大に吹いた。
マコトは少食なのと食べるのが遅かったのだ。
何回か調子に乗って笑わせていたけど、
毎回牛乳という飲み物を減らして
パンだけをモサモサ食べるマコトがかわいそうになった。
飛び散った牛乳の掃除も大変だった。
学校の雑巾は臭い。
それがさらに牛乳臭くなるのだ。
僕は面白いことは好きだけど汚いのは嫌いだ。
マコトにはとても悪いことをした。
ゆっくり平和に食べることが幸せなんだ。
楽しく味わって食べるべきだ。
決して早く食べて人を笑わせてはいけない。
結局、ランチバトルは廃れていった。