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Cafetalk Tutor's Column

Keisuke.H 讲师的专栏

I was a bocchi.⑱鍵を掛ける

2024年4月10日

母はいつも「必ず鍵を掛けて」と言っていた。
私は鍵っ子ではなかったのだが、
母は何度も念を押した。
 
母は専業主婦で、小学校から帰ると家には母と妹がいた。
団地の治安は悪くなかったが、
鍵を開けたままにするのは不用心だと教えられた。
だから、鍵は大切なものだった。
 
家の中はトイレ以外に鍵を閉める場所がなかった。
風呂にも鍵はなかった。
学習机の引き出しにも鍵があったかもしれない。
でも、私が秘密にしていたものは特になかったし、
仮にあっても母に無理やり開けられるだろうと思った。
 
トイレには必ず鍵を閉めた。
鍵が開いていると誰かが開ける可能性があった。
もしそれが母なら延々と長い説教が始まる。
それを避けるために私は鍵を閉めた。
 
鍵を閉めることが当たり前になり、
鍵を閉めないことが不快に感じるようになった。
父はよく鍵を開けたままにしていた。
だらしない父を見ては疑問に思った。
「なんでこんな簡単なことができないんだろう?」
 
妹も鍵を開けたままにしていた。
まだ幼かったから鍵の掛け方がわからない。
私は鍵を半開きにして戸を閉め、鍵が閉まるようにした。
妹はトイレに閉じ込められた。
開け方がわからずワンワン泣き出した。
私がいくら説明しても聞かない。
母が帰ってきて状況を見て焦った。
私は怒られた。
そして、父も仕事から帰ってきた。
 
結局、父が工具で鍵を開けた。
妹は無事にトイレから出られ、
母に抱きついて泣いた。

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