こんにちは。
今日は、『【中学受験算数】思考系問題は成績が伸びるまでにタイムラグがある』というテーマで書いていきたいと思います。
思考系の問題は、基礎知識を使って解いていきます。
したがって、基礎知識がある程度入っていることが前提で学習を進めていきます。
思考系の問題演習をするときに、意外と大切なのは、基礎知識を習得する時と結果の出方が異なるという点を頭の片隅に置いておくという事です。
この点をあまり意識せずに、思考系の問題演習を始めてしまうと、受験生さんご本人様も親御様も、短期的な視点で考えやすくなってしまうように思います。
基礎知識の習得の場合、暗記で勉強を進めることがほとんどです。
多少の計算要素はありますが、基本的には、解説を聞いてその通り再現していきます。
テストも、解説を聞いて覚えて、その通り再現できるようになれば良いスコアを叩き出せます。
やった分がすぐに目に見えて成果が出やすいのです。
それに対して、思考系の問題演習は全く異なる様相を呈します。
問題をこなしていくスピードや、どこまで考えることができるかといった部分にも左右されますが、
結果が出るのに、思考系の演習を始めて半年〜1年ほどかかる印象です。
それは、思考系の問題を解けるようになるには、知識の熟成が必要だからです。
基礎演習では、言われたことをそのまま再現すればOKなのに対して、思考系は自分で考えていくことが求められます。
そうなると、知識自体もただ知っているだけでは役に立ちません。
知っている知識を別の知識と関連づけていくことが求められます。
イメージで言えば、一つ一つの知識が「点」だったものを「線」や、さらに「立体」にしていく作業です。
この作業をどうしても地道に自分の頭でしていくことになるので時間がかかるのです。
例えば、平面図形で補助線を引く問題は、
まず知識として、この補助線があれば楽に解けます、と教えられます。
思考系のテスト問題では、それを別の問題で見た時にも、思いついて自分でその補助線をひけるかが聞かれます。
その問題に答えるためには、その補助線がどういった役割を持っているのか、どういう場面で必要とされているのか、まず理解していなければなりません。
そして実際に、いろんな問題で自分の手を動かしながらひいてみるなかで、補助線が使いこなせるようになっていきます。
知っていることと、それを理解して使いこなしていくまでには、大きな壁があります。
これが知識だけで終わっているか、思考系演習までこなしているかの違いでもあります。
思考系演習は結果が出るまでに、こういったステップを踏んでいくため、時間がかかるのです。
そして、その練習を算数の分野全般で行う必要があります。
一つ一つの分野で積み上げていくには、相応の時間が必要です。
思考系演習を始めてすぐの受験生さんほど、すぐに結果が出ないことに驚いてしまいます。
思考系演習は、やり方が間違っていない限り、淡々とこなしていけば必ず結果が出ます。
タイムラグがあるものと分かった上で、長期戦で取り組んでいただければと思います。
思考系の演習は小学校6年生の秋以降にかなりの威力を発揮します。
そして、受験当日の大きな武器になります。