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Cafetalk Tutor's Column

Sachi Art 讲师的专栏

「上手だね」という言葉の魔力/お子さんと向き合う大人の方へ

2023年12月28日

こんにちは!アート講師のSachiです♬
美術講師となってはや9年目、お子さんとの出会いの中で、どんな言葉を使うかについては特に思い悩んできました。そんな経験から、ちょっと長い読み物を書いてみたいと思います。

⚫︎「上手だね」という言葉
これって、何を指す言葉なんでしょうか。
写実的に描けているとき?それともすごく頑張って描いた(作った)とき?
誰しもがつい言ってしまうし、心から贈る純粋な言葉だと思います。
しかしその言葉を言いたい時、どうか一度、ぐっとそれを飲み込んでみてください。


⚫︎「上手に描きたい」という気持ち
絵を描いたり、ものを作ったりすることは本当に楽しく、きっと大人の皆さんも子ども時代たくさん作品を作られたことかと思います。その当時、どんなことを考えて作っていたでしょうか。
いつから「上手に描きたい」と思うようになったでしょうか。

お子さんたちが小さい頃、描き殴るように、まるで描くという行為そのもの・自分の体が動く軌跡を楽しむように何十枚も画用紙を使うことと、
少し大きくなってキャラクターを模写したり、運動会の様子などさまざまな具体的な場面を描こうとすることとの間には、
とても大きな違いがあり、成長の積み重ねがあります。

その積み重ねの上にだんだんと浮かび上がってくるのが「上手に描きたいという気持ち」です。


⚫︎挑戦する本人と、それを応援する大人
ただ体の躍動を楽しんでいた時代から、『あれとこれの違い』が見えるようになり、『より良く』と求めるものが増えてくる。
何よりお子さん自身が、もっと!と強い気持ちを持ち、いつもベストを尽くしています。
それを側で見守る大人は(私を含め)、応援したい気持ちでいっぱいです。
でも、ふと考えてみます。
もうすでにベストを尽くしている人が一番欲しい言葉って、なんでしょうか?

それは「上手だね」という言葉では必ずしも無いかもしれません。だっていつも頑張っているのだから。
それだけでは、『今日すごくうまくいったところ/今日すごく楽しかったこと』は見て貰えていない。
「上手だね」という言葉には、場合によってはそういったかなりの大雑把さがあります。
応援したい大人としては、そうした大雑把な形で気持ちが伝わってしまったらちょっと残念ですよね。

ベストを尽くす人が一番欲しい言葉は、作品それ自体の評価ではないのです。


⚫︎「わぁ!」と驚くこと、一緒に振り返ること
絵や作品には、たくさんの試行錯誤や心の動きがギュッと詰まっています。
見た目だけでわかるのは、その中のほんの少しです。
(プロを除き)作品とは評価するものではなく、それを作った一つ一つの工夫や、考えたこと・ストーリーを鑑賞するものです。

お子さんの作品を応援する時の例としては、工夫一つ一つに「わぁ!」と驚き、「ここの色がすてき!まるで風が吹いているみたい」などと具体的な部分からお話を広げ、
一緒に作った過程を振り返るようにすると、『応援の気持ち』がよりよく伝わるのではと思います。
「わぁ!」という驚きは、お子さんの気持ちに寄り添うよ!という合図です。
すごい、上手!の言葉も、そうしたトッピングを加えることでより具体的な気持ちを表すことができる言葉に変わるかもしれません。大雑把な一言でなく、応援の気持ちを言葉に乗せる。
作品も、それを作った自分も誇らしい。そう思えること/思ってもらうことが、まず最初の一歩だと思います。


⚫︎技術的な研鑽へ、それにも寄り添う
しかしこれまで書いたことは、あくまで美術を楽しむという点においてで、プロの世界を除いたお話です。
絵を描き、ものを作るというのは基本的に楽しいもので、それをより楽しんでいただくのが子どもアートの大前提ではありますが、もちろんそればかりではありません。
大人に近づくほど上手下手という基準は確かに存在するし、そこを追求することはむしろやればやるほど苦しいです。笑

いえ、正しくは「悔しい」です。
ただ、プロの世界、というのは字面の特別感や職業的な雰囲気とは全然異なり、私は単純にその「悔しい」という気持ちを持った瞬間から始まるものだと考えています。
小学校高学年〜中学生くらいから、その気持ちが強くなられるでしょうか。
その大人顔負けの強い気持ちを持たれた時、お子さんの作品では飛躍的に技術的な研鑽が積まれていきます。
それこそ没頭して何枚も、何時間も画用紙に向かうような。

しかし、その中でも『今日すごくうまくいったところ/今日すごく楽しかったこと』は忘れずにいて欲しい。
お子さんがプロの世界に足を踏み入れた時、「悔しい」の中にも「楽しい」が常にあるように、応援の姿勢を持ち続けていくこと。
それが大人(講師の私自身)の役割であるのだろうなと、思っています。
「楽しい、誇らしい」をいつの時代にも繰り返し伝えてあげられること、それがお子さんの作品と向き合うときの一番大切なことだと思います。

(上手い下手、技術的な批評や競争はその過程の後、もし本当にプロを目指す道を選んだ時にすれば良いことです。しかしそこまでくると専門分野や話す相手によってガラリと話の内容が変わってしまうので、誰でも批評できるわけではないというのはまた別のお話...^^;)

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