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Cafetalk Tutor's Column

Tomoyo.Muramatsu 講師的專欄

滝から落ちた。でも生きてる。その4

2023年8月17日

このコラムの前談はこちらから

・滝から落ちた。でも生きてる。その1

・滝から落ちた。でも生きてる。その2

・滝から落ちた。でも生きてる。その3



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落ちた滝のそばから
全力で泳いで離れ

やっとの思いでへばりついた岩壁


そこでまず
ウェストポーチが体に付いているとわかり

その場で一旦
「あー良かった」と一息。



次は岸に向かうため
危険を避けて泳ぐルートはないかと
辺りを見回し始め


ふと数メートル真上に目をやると
見慣れた先輩男性社員の顔が2つ


彼らを見てホッとするどころか
舌打ちをした私。



もちろん理由があるんですよ(笑)。



その先輩ふたりとも、普段から

「オレたちダイビングすげー得意」

「泳ぎも相当なもんだしな♪」

「なんかあったらすぐ助けにいけるぐらい
マジで水の中ではいい動きができるし」

なんて

しょっちゅう自慢してた(-_-;)


あんたたち揃いも揃って
そんな高いとこにいて
なにしてんのさ!!!


という気持ちが
咄嗟に出てきての「舌打ち」でした。




ハッ!

こんなヤツらに
腹を立てている場合じゃない!



我に返って

上に向けていた目を
今度は左へ向けると


別な意味で驚きの光景が。



入社以来
ずっと私の面倒をみて
仕事を教えてくれている
男性の上司が


川を泳いで
助けに向かってきてくれているし


もうひとり


いつも付きっきりで
私の面倒をみてくれている
女性の先輩が



泣きじゃくりながら



どこで見つけたのか
長ーい棒を持って


膝まで川に入って来ていました






川は怖い。


この2人が流されてしまったら
どうしよう


私はいいから
岸に戻って!と叫んでも


流れの音にそんな声は届くはずもなく。



人を巻き込む可能性を実感して


ここで初めて
本当の恐怖を感じました


恐怖で固まっている間に

その上司はとっとと
私のいる場所に泳ぎ着いたのです



***************



川を泳ぐのはパワーがいる。


もはやクタクタで
力の出ない私の腕をつかんで

その上司は
岸まで泳ぎ、助けてくれました


泣きじゃくって膝まで
川に入って来ていた先輩は

恐ろしいことに



全く泳げない人!



それなのに
助けたい一心で

何も考えず
川に入ってしまったのでした


そんな2人のために
生きていて本当に良かった
2人の命を危険に晒してごめんなさい
と思うと同時に

助けに来てくれてありがとう



心からの言葉が出ました



**************


岸に上がって
安全な場所に座り込み

3人で
落ち着きを取り戻そうと
寄り添っていながら

ふと反対側の岩壁の上に目をやると


まだそこから動かずにいる

あの2人の先輩の姿




あんたたちのが
この2人の何十倍も
泳ぎが達者なはずだろ!




助けに来てくれた2人への
感謝の思いの反動で

ムカっ腹。



でもそのお陰で

すぐに立ち上がる力が
戻ってきました(笑)


そういう意味では
役に立つ2人でしたね(^^)



**************


何とか助かって

みんなが集まったところで


その2人から出た言葉


「いや、飛び込もうと思ったんだよ。
でも〇〇さんがもう川に入ってたから」
と1人め。


もう1人は
「いやあ、落ちるとこ確認しなきゃと
思っちゃってさ。滝が良く見えるとこに
走ってったから、助けに行けなかったよー」




のたまっていました



みんなに説明するように
こんなことを口に出したので


普段から泳げる自慢してるのに
コイツらダメじゃん


と思われるって
焦ったに違いないと


鼻で笑ってスルーしましたよ(笑)


あ、

決してこの人たちが
私を助けるべきだと
考えたわけではなくて



「俺たち水の中ではヒーローだぜ~♪」



と話していたことが
1mmも信用できなくなった

というだけのことです(^^)



***************


少し落ち着いた一行は

チェックアウトはしたけど
まだ荷物を置いてある
宿へと向かうため

来た道を歩き出そうとしました


私はいつの間にか
右足の靴も失くしていて

両足とも裸足です


そこへ
泣きながら助けに来てくれた
先輩が


「はい、ビーサン」




ビーチサンダルを
渡してくれ

ひとこと。


その5につづく

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