きょうは,「能と歌舞伎の動き」について,クイズ形式で解説しようと思います。
能も歌舞伎もミュージカルです。いわゆる「せりふ」「うた」「ダンス」「えんそう」などによってドラマが進行します。
<第1問> AKBや坂道系,ジャニーズ系など,最近は激しい難易度の高いダンスが注目されていますが,これらのパフォーマンスのジャンルは ①舞 ②踊り のどちらに近いと思いますか?
(答 ②)
<第2問> アイススケート,体操の床演技,クラシックバレエはいつも私たちに感動を与えますが,これらのパフォーマンスのジャンルは ①舞 ②踊り のどちらに近いと思いますか?
(答 ①)
<第3問> 日本が誇る伝統芸能といえば,能や歌舞伎ですが,ダンスに当たる動きは,いずれも,ゆっくりとしたものから激しいテンポのものまであり,いつも私たちを楽しませてくれます。
さてこのうち「能」のパフォーマンスのジャンルは ①舞 ②踊り のどちらに近いと思いますか?
(答 ①)
第4問 上記の第1問から第3問までのクイズの問と答えから, ①舞 ②踊り の違いを類推して説明しましょう。
(答 踊りは「おもにその場でのステップ」による,舞は「おもに移動」による表現手段である。)
<解説> みなさん,「舞と踊り」「能と歌舞伎」の表現の違いをイメージすることができましたか?
わかりやすく言うと,今はやりのダンスも歌舞伎も,ジャンルは「踊り」なので,同時に大人数でパフォーマンスができます。ステージのイメージはどちらかというと横長です。まさにいまどきのテレビやYouTube向きですね。
それに対してアイススケート,体操の床演技,クラシックバレエ,そして能は,ジャンルが「舞」なので,同時に大勢の人でパフォーマンスができません。ステージには十分な奥行きが必要なので,どちらかというと正方形か縦長のイメージです。きっとこれは今はやりの3Dの鑑賞が容易なVR(Virtual Reality可能なゴーグル)向きですね。
私の教えるのは後者で,オンライン授業としては,かなりの冒険になります。しかし,「習って良かった。」「オンラインでもここまで出来た。」と感動されるようなレッスンをめざします。
とは言うものの,まずは確実に出来るうた(謡い)を中心に能の素晴らしさに触れていただきたいと思っています。
(クニオ)